介護支援専門員(ケアマネジャー)の派遣求人は、介護職に比べて明らかに少ない。
理由は制度にある。事業所には常勤のケアマネを置かなければならないと決まっているためだ。
「常勤であるもの」と条文に書かれている
指定居宅介護支援事業者は、当該指定に係る事業所(略)ごとに一以上の員数の指定居宅介護支援の提供に当たる介護支援専門員であって常勤であるものを置かなければならない。
(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第2条第1項)
「常勤であるもの」が条文の言葉になる。事業所を運営するには、この枠を埋める人が要る。
派遣は、この常勤の枠を埋める形には向いていない。契約に期間があり、派遣先の指揮命令下で働く形になるためだ。
員数は利用者44人ごとに1人
前項に規定する員数の基準は、利用者の数(略)が四十四又はその端数を増すごとに一とする。
(同条第2項)
利用者が45人になれば2人目が要る、という計算になる。
同条3項に例外がある。国保中央会が運用する情報処理システムを利用し、かつ事務職員を配置している場合は「49又はその端数を増すごとに一」になる。
2人目以降の増員部分なら、常勤でなくてよい余地が出る。派遣の求人が出るのは、主にここになる。
管理者は、さらに条件が重い
| 中身 | 条文 | |
|---|---|---|
| 常勤 | 事業所ごとに常勤の管理者を置く | 3条1項 |
| 資格 | 主任介護支援専門員であること(確保が著しく困難な場合などの例外あり) | 3条2項 |
| 専従 | 専らその職務に従事する者でなければならない | 3条3項 |
3条3項にはただし書があり、自分が管理する事業所のケアマネの職務を兼ねる場合などは専従でなくてよい。
管理者は派遣で埋める職ではないことになる。
それでも派遣の求人が出る場面
| 増員 | 利用者が増えて2人目・3人目が要るとき |
|---|---|
| 産休・育休の代替 | 常勤者が休む間。常勤扱いになる勤務時間かを確認する(休んでいる人の枠を埋める形なら、同じ時間数が求められることがある) |
| 施設のケアマネ | 居宅介護支援以外(特養などの施設)の配置 |
求人票の「事業所の種類」を見る。 居宅介護支援事業所か、施設か、地域包括支援センターかで、求められる働き方が違う。
この記事で引いた条文は居宅介護支援事業所のものになる。施設と地域包括支援センターは、それぞれ別の基準になる。
施設のケアマネの人員基準は、施設の種類ごとに別の省令で定められている。地域包括支援センターの基準もまた別になる。この記事で引いたのは居宅介護支援事業所の条文だけになる。
賃金の目安
労使協定方式の場合、国が示す一般賃金の基準値がある。
| 職種番号 | 職種 | 能力・経験0年 | 3年 | 10年 | 20年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1168 | 介護支援専門員(ケアマネージャー) | 1,410 | 1,760 | 2,012 | 2,501 |
| 1361 | 介護職員(医療・福祉施設等) | 1,164 | 1,453 | 1,661 | 2,065 |
(単位=円・時給。令和8年度の職業安定局長通達。地域指数をかける前の額)
勤続0年で246円の差がある。資格と業務の性質が反映された形になる。
これは下限になる。実際の時給がこれと同じとは限らない。この表が使われるのは労使協定方式の場合になる。
探すときに確かめること
1. 事業所の種類(居宅介護支援/施設/地域包括支援センター)
2. 常勤の枠か、増員か
3. 担当する利用者の数(44人の基準に照らして、どのくらいの負担か)
4. モニタリングの訪問頻度と範囲
5. 給付管理の業務があるか
3は特に確かめる。 条文の44人は事業所の員数を決める基準であって、1人あたりの上限を定めたものではない。実際に何件持つかは、事業所の運営による。
派遣という形が合うか
ケアマネの仕事は、利用者との継続的な関係が土台になる。契約期間が区切られる派遣とは、そもそも相性の問題がある。
一方で、次のような場合には合う。
- ブランクから復帰する——まず短い期間で慣れたい
- 事業所を選びたい——合わなければ満了で終えられる
- 複数の現場を経験したい
紹介予定派遣という形もある。6か月まで派遣で働いて、直接雇用に切り替えることを予定する形になる。必ず切り替わるわけではない。詳しくは紹介予定派遣の記事で扱っている。
出典
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第2条第1項(常勤の介護支援専門員を1以上)、第2項(利用者44人ごとに1人)、第3項(情報処理システムの利用等の場合は49人)、第3条(管理者=常勤・主任介護支援専門員・専従)(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038 - 厚生労働省職業安定局長「令和8年度の一般賃金等について」(職発0825第1号・令和7年8月25日。職種番号1168・1361の基準値)(2026年8月25日取得)
https://www.mhlw.go.jp/content/001547248.pdf


