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介護職の派遣——施設と訪問の分かれ目は、資格が要るかどうか

編集部公開 2026年8月25日

介護職の派遣を探すと、「施設」と「訪問」が並んで出てくる。同じ介護職に見えるが、就ける条件も、働き方も、賃金の水準も違う。

介護の派遣は、大きく2つに分かれる 施設で働く 無資格でも就ける求人がある 夜勤がある 複数人で対応する 勤務時間が決まっている 訪問で働く 資格が要る 原則1人で訪問する 移動の時間が入る 時間の区切りが細かい 訪問介護に就ける人 介護福祉士 介護職員初任者研修 を修了した人 生活援助従事者研修 を修了した人 介護保険法8条2項・同法施行令3条1項1号 国が示す賃金の下限も、訪問のほうが高い 介護保険法8条2項・施行令3条1項1号・施行規則22条の23
介護の派遣は施設と訪問で分かれる。

訪問介護は、無資格では就けない

ここが最大の分かれ目になる。条文で決まっている。

指定訪問介護の事業を行う者(略)が当該事業を行う事業所(略)ごとに置くべき訪問介護員等(指定訪問介護の提供に当たる介護福祉士又は法第八条第二項に規定する政令で定める者をいう。略)の員数は、常勤換算方法で、二・五以上とする。

(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第5条第1項)

その「政令で定める者」がこれになる。

一 次のイ又はロに掲げる研修の課程を修了し、それぞれ当該イ又はロに定める者から当該研修を修了した旨の証明書の交付を受けた者
イ 都道府県知事の行う介護員の養成に関する研修
ロ 都道府県知事が指定する者の行う研修であって厚生労働省令で定める基準に適合するものとして都道府県知事の指定を受けたもの

(介護保険法施行令第3条第1項第1号)

上の条文にある「常勤換算で2.5以上」は、事業所が何人置くかという基準になる。働く個人の条件ではない。

その研修が、何という名前なのか

政令は「知事の行う研修」としか書いていないが、省令が課程の名前を定めている。

令第三条第一項第一号イ及びロに掲げる研修(略)の課程は、介護職員初任者研修課程及び生活援助従事者研修課程とする。

(介護保険法施行規則 第22条の23第1項)

介護福祉士でなくてもよい。 初任者研修か生活援助従事者研修を修了していれば、訪問介護に就ける。

昔の資格を持っている場合

名前が変わる前の研修も、初任者研修を修了した者とみなされる。

次に掲げる者は、(略)介護職員初任者研修課程を修了した者とみなす。
一 (略)介護職員基礎研修課程、一級課程又は二級課程(略)を修了し、(略)証明書の交付を受けている者

(介護保険法施行規則の一部を改正する省令〈平成24年4月1日施行〉附則第2条)

ホームヘルパー2級・1級、介護職員基礎研修が、これに当たる。取り直す必要はない。

まとめ——訪問介護に就ける人

根拠
介護福祉士介護保険法8条2項
介護職員初任者研修 修了施行令3条1項1号 + 施行規則22条の23
生活援助従事者研修 修了同上
(旧)ホームヘルパー2級・1級平成24年改正省令 附則2条(初任者研修とみなす)
(旧)介護職員基礎研修同上

「無資格OK」の訪問介護求人は、この基準に照らすと成り立たない。

実務者研修は、介護保険法施行規則には出てこない。 この省令が挙げているのは初任者研修課程と生活援助従事者研修課程の2つになる。実務者研修は介護福祉士国家試験の受験要件として別の法律で定められているもので、訪問介護員の要件として条文で確かめられなかった。持っている場合は派遣会社に確認する。

訪問介護員等のような研修修了の要件は、施設で働く介護職員には同じ形ではかかっていない。 だから「無資格・未経験OK」の求人は施設に集まることになる。

賃金の下限も違う

労使協定方式の場合、国が示す一般賃金の基準値がある。職種の区分が分かれている。

職種番号職種0年3年10年20年
1361介護職員(医療・福祉施設等)1,1641,4531,6612,065
1362訪問介護従事者1,3311,6611,8992,361

(単位=円・時給。令和8年度の職業安定局長通達。地域指数をかける前の額)

勤続0年で167円の差がある。資格が要ることと、1人で訪問することが反映された形になる。

これは下限になる。実際の時給がこれと同じとは限らない。

この表が使われるのは労使協定方式の場合になる。もう1つの派遣先均等・均衡方式なら、比べる相手は派遣先の社員になり、この表をそのまま使うわけではない。自分がどちらかは書面で確かめる。

施設で働く場合

無資格から就ける求人がある
夜勤ある(16時間の2交代、8時間の3交代など)
体制複数人で対応する
時間勤務時間が決まっている

夜勤の割増と手当については、夜勤の記事で扱っている。

施設の種類で中身が変わる。 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、デイサービスで、利用者の状態も業務の重さも違う。求人票の施設種別を見る。

訪問介護で働く場合

資格必須(上記)
体制原則1人で訪問する
移動移動の時間が入る
時間1件30分〜1時間などの区切り

移動時間が労働時間に入るかは、契約で確かめる。 ここは会社によって扱いが違う。条文で一律に決まっていないので、この記事では断定しない。

訪問入浴介護は、また別

訪問系でも、訪問入浴介護は看護職員が同行する形になる。

看護師の派遣が居宅で例外的に認められているのも、この訪問入浴になる(派遣法施行令2条1項4号の括弧書き)。上の資格要件は訪問介護についてのものなので、混ぜない。

派遣で介護職に就くときの確認事項

1. 施設か訪問か(就業条件明示書の「就業の場所」)

2. 施設種別(特養・老健・グループホーム・デイなど)

3. 夜勤の有無と回数

4. 利用者の人数と職員体制

5. 無資格で就く場合、できない業務は何か

5は特に確かめる。 介護の業務のうち、医療行為に当たるものは無資格ではできない。詳しくは無資格の記事で扱っている。

派遣でできない介護の仕事

介護職そのものは派遣できる。ただし同じ職場でも、業務によっては別の資格者が必要になる。

介護の業務派遣できる
看護師の業務病院・診療所・老健・介護医療院・居宅では派遣できない(訪問入浴を除く)

特別養護老人ホームやグループホームなら、看護師も派遣で働ける。施設の種類で線が引かれている。

詳しくは、派遣できない仕事の記事で扱っている。

出典

  • 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第5条第1項(訪問介護員等の員数=介護福祉士または政令で定める者、常勤換算2.5以上)、同条第2項・第4項(サービス提供責任者)(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
  • 介護保険法 第8条第2項(訪問介護=介護福祉士その他政令で定める者により行われる)(e-Gov法令検索・2026年8月27日取得)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  • 介護保険法施行規則 第22条の23第1項(研修の課程=介護職員初任者研修課程及び生活援助従事者研修課程)、介護保険法施行規則の一部を改正する省令(平成24年4月1日施行)附則第2条(介護職員基礎研修課程・一級課程・二級課程を修了した者は初任者研修課程を修了した者とみなす)(e-Gov法令検索・2026年8月27日取得)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
  • 介護保険法施行令 第3条第1項第1号(法第8条第2項の政令で定める者=都道府県知事の行う研修または知事が指定する者の行う研修の修了者)(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/410CO0000000412
  • 厚生労働省職業安定局長「令和8年度の一般賃金等について」(職発0825第1号・令和7年8月25日。職種番号1361・1362の基準値)(2026年8月25日取得)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001547248.pdf
  • 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令 第2条第1項第4号(保健師・助産師・看護師の業務。訪問入浴介護に係るものを除く)(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/361CO0000000095

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