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サービス提供責任者の派遣——「常勤の中から選ぶ」という壁

編集部公開 2026年8月25日

訪問介護事業所に置かれるサービス提供責任者(サ責)。派遣の求人は、ケアマネ以上に少ない。

理由は人員基準の作りにある。サ責は「常勤の訪問介護員等」の中から選ぶと決まっているためだ。

サービス提供責任者になる条件 まず、その事業所の 常勤の訪問介護員等 の中から選ぶ 資格 介護福祉士など 厚生労働大臣が定める者 専従 専ら訪問介護に 従事すること 指定居宅サービス等の人員基準 5条2項・4項 何人置くか 原則 利用者40人ごとに1人以上 条件を満たせば 50人ごとに1人以上
サービス提供責任者は常勤の訪問介護員等の中から選ぶ。資格と専従が要る。

選ばれる母集団が限られている

指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに、常勤の訪問介護員等のうち、利用者(略)の数が四十又はその端数を増すごとに一人以上の者をサービス提供責任者としなければならない。この場合において、当該サービス提供責任者の員数については、利用者の数に応じて常勤換算方法によることができる。

(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第5条第2項)

「常勤の訪問介護員等のうち」が条文の言葉になる。まずその事業所の常勤職員であることが前提になる。

後段に「員数については、利用者の数に応じて常勤換算方法によることができる」とある。

これは人数の計算方法を定めたものになる。同じ省令に定義がある。

常勤換算方法 当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいう。

(同基準 第2条第8号)

あくまで「員数の数え方」になる。選ばれる人が常勤であるという2項前段の条件は、これで消えない。

2つの条件

第二項のサービス提供責任者は介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護に従事するものをもって充てなければならない。

(同条第4項)

中身
資格介護福祉士、その他厚生労働大臣が定める者
専従専ら指定訪問介護に従事すること

4項にはただし書がある。利用者への提供に支障がない場合は、同一敷地内にある定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所や夜間対応型訪問介護事業所に従事できる。

「厚生労働大臣が定める者」の中身は、この省令には書かれていない。 告示で定められているので、介護福祉士以外にどの資格が当たるかは、派遣会社か事業所に確かめることになる。

何人置くか

員数条文
原則利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上5条2項
緩和されるとき利用者50人またはその端数を増すごとに1人以上5条5項

緩和の条件は3つそろうことになる。

常勤のサービス提供責任者を三人以上配置し、かつ、サービス提供責任者の業務に主として従事する者を一人以上配置している指定訪問介護事業所において、サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合

(同条第5項)

緩和の条件そのものが「常勤3人以上」になっている。制度が常勤を前提に組まれていることが、ここにも表れている。

論点は雇用の形ではなく、勤務時間になる。 条文が求めているのは「常勤であること」で、派遣か直接雇用かを分けてはいない。ただし派遣労働者が人員基準上の常勤に算入できるかは、指定を出す自治体の判断による。実際に配置される場合は、事業所に確認してもらうことになる。

それでも派遣の求人が出る場面

求人が出るとすれば、次のような形が多い。

訪問介護員としての求人サ責ではなく、現場のヘルパーとして入る
産休・育休の代替常勤者が休む間。常勤扱いになる勤務時間かを確認する
紹介予定派遣直接雇用に切り替えることを予定する形

求人票に「サービス提供責任者」とあっても、契約上の業務は別のことがある。 サ責は事業所が指名する職なので、求人の職名と、契約書に書かれる業務の内容が一致するとは限らない。就業条件明示書の「業務の内容」で確かめる。

管理者との違い

同じ事業所に、管理者という別の職がある。

指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定訪問介護事業所の管理上支障がない場合は、当該指定訪問介護事業所の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができる。

(同基準 第6条)

管理者は常勤・専従が原則だが、ただし書が広く、サ責やヘルパーを兼ねることが認められている。

サ責と管理者を兼ねている人が多いのは、この条文の作りによる。

賃金の目安

労使協定方式(派遣の賃金の決め方の1つ。国が示す水準が下限になる)の場合、職種ごとの基準値がある。「サービス提供責任者」という職種区分は、通達の表に無い。

近いものを挙げると次になる。

職種番号職種能力・経験0年3年10年20年
1362訪問介護従事者1,3311,6611,8992,361
1361介護職員(医療・福祉施設等)1,1641,4531,6612,065

(単位=円・時給。令和8年度の職業安定局長通達。地域指数をかける前の額)

どの職種番号を当てるかは、労使協定で決まる。 自分がどの区分で計算されているかは、協定を見れば分かる。

探すときに確かめること

1. 契約上の業務がサ責か、訪問介護員か

2. 常勤の枠か、代替か

3. 担当する利用者の数(40人/50人の基準に照らして)

4. 管理者を兼ねるのか

5. どの職種区分で賃金が計算されているか(労使協定方式の場合)

1と4はセットで見る。

出典

  • 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第2条第8号(常勤換算方法の定義)、第5条第2項(常勤の訪問介護員等のうちから、利用者40人ごとに1人以上。員数は常勤換算方法によることができる)、第4項(介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者、専従)、第5項(常勤3人以上等の場合は50人ごとに1人以上)、第6条(管理者=専従・常勤とただし書)(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
  • 厚生労働省職業安定局長「令和8年度の一般賃金等について」(職発0825第1号・令和7年8月25日。職種番号1361・1362の基準値)(2026年8月25日取得)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001547248.pdf

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