「介護の仕事」で探すと、障害福祉の求人も一緒に出てくる。似た仕事に見えるが、根拠になる法律から違う。
入口の条件も違う。 詳しくは下で条文を並べるが、介護保険の訪問介護と、障害福祉の生活支援員では、資格の書き方が違う。
根拠法が違う
| 障害福祉 | 介護保険 | |
|---|---|---|
| 法律 | 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法) | 介護保険法 |
| 対象 | 障害のある人 | 要介護・要支援の認定を受けた人 |
| 費用の仕組み | 自立支援給付 | 介護保険給付 |
資格も施設も別の体系になる。「介護の経験があるから障害福祉もできる」とは限らないし、その逆もある。
サービスの種類
大きく分けると、通所・入所・訪問・就労の4系統になる。
| 系統 | 主なサービス |
|---|---|
| 通所 | 生活介護、自立訓練 |
| 入所 | 施設入所支援、短期入所、共同生活援助(グループホーム) |
| 訪問 | 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護 |
| 就労 | 就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、就労選択支援 |
条文が挙げているものは16になる。
この法律において「障害福祉サービス」とは、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援、自立訓練、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及び共同生活援助をいい(略)
(障害者総合支援法 第5条第1項)
求人票に出てくるのは、この名前のどれかになる。「障害福祉の仕事」とだけ書かれていたら、どのサービスかを確かめる。
障害児を対象とする通所支援(児童発達支援、放課後等デイサービスなど)は、この16に入っていない。 児童福祉法に基づく別の制度になる。求人で見かけたら、根拠法が違うことになる。
生活支援員に、条文上の資格要件が無い
ここからは「生活介護」を例に見ていく。 障害福祉サービスは種類ごとに条が分かれており、人員基準もそれぞれ別になる。
二 看護職員(略)、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士及び生活支援員
イ (略)の総数は、指定生活介護の単位ごとに、常勤換算方法で、(略)平均障害支援区分に応じ(略)の数とする。
ニ 生活支援員の数は、指定生活介護の単位ごとに、一以上とする。
(指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第78条第1項第2号)
看護職員には「保健師又は看護師若しくは准看護師」という定義が置かれ、リハビリ職も職名で書かれている。それに対して、生活支援員には資格の定義が付いていない。
これは介護保険と対照的になる。訪問介護は「介護福祉士又は(略)政令で定める者」と条文が資格を限っている。障害福祉の生活支援員には、その書き方が無い。
だから無資格・未経験から入れる求人が出やすいことになる。
配置の人数
生活介護では、平均障害支援区分で必要な人数が変わる。
障害支援区分は、支援の必要の度合いを示す区分になる。数字が大きいほど必要な支援が重い。
| 平均障害支援区分 | 総数(常勤換算) |
|---|---|
| 4未満 | 利用者の数 ÷ 6 以上 |
| 4以上5未満 | 利用者の数 ÷ 5 以上 |
| 5以上 | 利用者の数 ÷ 3 以上 |
(同基準 第78条第1項第2号イ。看護職員・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・生活支援員の総数)
区分が重いほど、人手が厚くなる仕組みになる。求人を見るとき、その事業所の利用者像を聞く材料になる。
ほかに定めがある。看護職員は単位ごとに1以上(同号ロ)、生活支援員も単位ごとに1以上(同号ニ)、生活支援員のうち1人以上は常勤(同条6項)。
サービス管理責任者
障害福祉には、介護保険のケアマネに相当する職がある。
| 利用者の数 | 必要な数 |
|---|---|
| 60以下 | 1以上 |
| 61以上 | 1に、60を超えて40またはその端数を増すごとに1を加えた数以上 |
(同基準 第78条第1項第3号)
計算すると、こうなる。
| 利用者の数 | 必要な数 |
|---|---|
| 60人まで | 1人以上 |
| 61〜100人 | 2人以上 |
| 101〜140人 | 3人以上 |
サービス管理責任者のうち1人以上は常勤でなければならない(同条7項)。厚生労働大臣が定めるものという資格の限定もある(同項第3号の括弧書き)。
ケアマネと同じく、派遣で埋める職ではないことになる。
専従の原則
第一項及び前項に規定する指定生活介護事業所の従業者は、専ら当該指定生活介護事業所の職務に従事する者又は指定生活介護の単位ごとに専ら当該指定生活介護の提供に当たる者でなければならない。ただし、利用者の支援に支障がない場合はこの限りでない。
(同条第5項)
ただし書があるので、絶対的な専従ではない。
賃金の目安
労使協定方式(賃金の決め方の1つ。国が示す水準が下限になる)の場合、職種ごとの基準値がある。
| 職種番号 | 職種 | 能力・経験0年 | 3年 | 10年 | 20年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1169 | その他の社会福祉専門職業従事者 | 1,290 | 1,610 | 1,841 | 2,288 |
| 1361 | 介護職員(医療・福祉施設等) | 1,164 | 1,453 | 1,661 | 2,065 |
(単位=円・時給。令和8年度の職業安定局長通達。地域指数をかける前の額)
「生活支援員」という職種区分は、通達の表に無い。 どの区分を当てるかは労使協定で決まるので、協定を見れば分かる。
探すときに確かめること
1. どのサービスか(生活介護、就労継続支援、グループホームなど)
2. 利用者の障害支援区分の傾向(配置の厚さが変わる)
3. 夜勤・宿直の有無(施設入所支援やグループホームでは特に)
4. 無資格でよいか(条文上の要件が無くても、事業所が求めることはある)
5. どの職種区分で賃金が計算されているか(労使協定方式の場合)
1で決まることが多い。 就労支援と生活介護では、求められることがまったく違う。
出典
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第5条第1項(障害福祉サービスの定義=16のサービス)(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000123 - 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第50条(療養介護の従業者)、第78条第1項(生活介護の従業者と員数)、同条第5項(専従)、第6項(生活支援員のうち1人以上は常勤)、第7項(サービス管理責任者のうち1人以上は常勤)(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 - 厚生労働省職業安定局長「令和8年度の一般賃金等について」(職発0825第1号・令和7年8月25日。職種番号1169・1361の基準値)(2026年8月25日取得)
https://www.mhlw.go.jp/content/001547248.pdf


